早わかりシーティング 〜快適な座位で、2時間から8時間へ

第5章 ふたつのシーティング

《図-13》 アップライト姿勢

 《図-13》 アップライト姿勢

快適な椅子座位といっても、首が座わり頭を自由に動かせる人とそれができない人とは座らせ方も異なるし、用具の形状も異なります。

首が座っている人はアップライトの座位姿勢(※注3)が取れます。
《図-13》 の写真(中央)で、わかるように立位(左)と比べると骨盤はやや後傾しています。立位に近い座位ですから、呼吸も楽だし、食事もコミュニケーションもとりやすい姿勢です。


姿勢(postureポスチャー)を、運動学では構え(attitude)と体位(position)の二つの要素で構成されると定義しています。

・構え(attitude):頭部、体幹、四肢の身体各部の相対的位置関係を表す。               
   ex) 頭部前屈位、肩関節外転位など      
・体位(position):身体が重力方向とどのような関係にあるかを示す。                 
  ex) 立位、座位、背臥位、腹臥位、側臥位など

同じ体位である座位でも、構えが異なると椅子座位、長座位、正座、胡坐(あぐら)と違った姿勢になります。体位は重力との 関係ですから、無常力の空間では、体位という概念はなくなります。
《図-14》 ふたつのシーティング

 《図-14》 ふたつのシーティング


首が座っていな人は、脊柱を起こした姿勢で座ることができません。バックレストを十分に倒します。そのため背の高いバックレストとヘッドレストが必要になります。また、バックレストを倒すだけだと、お尻が前に滑り出るので、座面も傾けないといけません。リクライニング機構(※注4)とティルト機構(※注5)をかねそなえたティルトリクライニング型車椅子が必要になります。


《図-15》 ティルトリクライニング型車椅子の例 楽歩(ラッポ)/無限工房

 《図-15》 ティルトリクライニング型車椅子の例 『楽歩(ラッポ)/無限工房』

アップライトポジションとティルトポジション、このふたつの座位姿勢を兼用できる椅子や車椅子もありますが、アップライトポジションの車いすと比べると重くなりますので、自力で駆動する場合はやや不利になります。適切に使い分けることが大切です。

※ 注3 upright posture まっすぐに起きた姿勢
 upright アップライト (位置・姿勢が)まっすぐな;まっすぐに[垂直に]立った;竪(たて)型の;背筋を伸ばしている
  ex)グランドピアノに対してアップライトピアノ

※ 注4 リクライニング(reclining)椅子 背の角度調節ができる椅子

※ 注5 ティルト(tilt) 「傾いた」という意味



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