早わかりシーティング 〜快適な座位で、2時間から8時間へ

第2章 バックレストの役割

西欧の椅子文化が産み出したものが、バックレストです。直訳すると文字どおり「背やすめ」ですが、それまでに椅子の文化を持たなかったわが国(※注1)では「背もたれ」と訳され、その本来の意味が伝わらなくなってしまっています。

バックレストの役割とは、座ると後傾しがちな骨盤を一定の位置に保持するためのものです。骨盤の後傾を防止できるならば、骨盤と仙腰関節で直接つながっている脊柱は立位に近いダブルS字カーブを維持できます。

結果として座位であっても立位に近い状態で重い頭部を省エネで保持できることになります。また楽な呼吸も保障されます。

《図-4》 立体的なシートユニット

 《図-4》 立体的なシートユニット

機能的なバックレストは、文字通り背中を休ませるだけでなく、腹部も含めた体幹部を楽にし、さらに重い頭部を適切な位置に保てるので、首にも余計な負担をかけません。

逆に言うなら、長時間座っても疲れない椅子とは、座る人の体型に合ったバックレストを持った椅子だということです。多くの日本人は、いまだに座面に座り心地のよさを求めようとします。勿論クッションも重要ですが、実はバックレストが重要な機能を持っているということを見落としてきたのです。

話は変わりますが、適切な位置にセットされたアームレストは座圧を軽減することができます。アームレストで受けた重さの分だけ、お尻に掛かる圧力が少なくなります。同じようにバックレストベルトを適切に調整すると、座面に掛かる負荷(圧力)を軽減できることもわかっています。

※注1 家庭で椅子が使われ始めるのは、テレビの普及のあとで、40〜50年ほどの歴史です。



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