軽い操作性(Driving)…世界の車椅子を変えたパンテーラの魅力

第3章 車軸の取り付け

車椅子を設計する場合の重要かつ最優先事項・・・、駆動輪を本体フレームにどのように取り付けるか?

押して動かすだけの車椅子なら、そう大げさに考えなくてもいいのですが、人が乗ったまま10cm〜20cmの段差をさっと降りるとなると、強度が心配になります。
しかも長年の使用にたえうる耐久性が問われます。

通常の考えで頑丈にしようとすると、その車軸の取り付け部材は、大きく重くならざるを得ません。
1989年に誕生したパンテーラは、その点を、天才的なひらめきでクリアしています。
その構造は、U2lightを除いて、現在の機種にも継承されています。

  1. 荷重(1)がかかる。特に段差を、キャスタを挙げたまま水平移動して、トンと降りる(この降り方をマスターするにはトレーニングが必要)と、かなりの力が。
  2. キャンバ角により、ハの字型になっているため、(1)の力は、車軸を中心に回転する力(2)になる。
  3. 力(2)は本体フレームを軸にした回転の力になり、リアアクセルを圧縮する(3)の力になる(ココが凄いところです)。
  4. ゆえにフレームパイプには、大きな力がかからない(はさみの軸に力がかからないのと同じ)。
  5. 上からの大きな荷重は、リアアクセルで受け止める。リアアクセルの部材は軽いアルミ合金(引張りにはかなり弱い゙が、圧縮には充分)。

丈夫なクロムモリブデン鋼といっても、パイプを押しつぶす力を一点に加えると、極薄のこのパイプは、簡単につぶれてしまいます。

パイプに負担をかけないこのつくりこそ、パンテーラを世界のパンテーラにのし上げた大発明でした。




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